50回目のお題は、お約束通り「ブレードランナー 完全版」です。
完全版というからには、完全版じゃないのがあります。
詳しくいうと日本劇場公開時の「ブレードランナー」が完全版じゃありません。
そして、ビデオになったアメリカ公開時の「ブレードランナー」。これが、いわゆる完全版ですね。
そして、数年後に公開された「ブレードランナー ディレクターズカット 最終版」。
で、今回は日本公開時のにしようかと思ったんですけど、次に「完全版」を書くときに書くネタがなさそうなので止めました。そのくらい微妙なんですよね。
で、ディレクターズカットは、書くことがあるので、次回にでもとっとこうかと思っております。
「ブレードランナー」の監督は、リドリー・スコットです。「エイリアン」の監督として有名になり、「ブレードランナー」で、地位を確立した造りコミの王者です。完全主義のスタンリー・キューブリックとはちょっと違います。
言葉をかえるなら「ガジェットの王様」かな。
「デリカテッセン」「ロストチルドレン」を監督した人も「ガジェットの王様」ですので、見比べてみるとよく分かると思います。このことは、またいずれ詳しく書こうと思っております。
原作は、以前紹介したフィリップ・K・ディック著「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」です。
基本的な設定は、原作通りです。表現の手法と、エンタテインメント性の差を感じます。言い換えれば、よくぞここまで原作を無視して作れたものだと思います。
コレは、リドリー・スコットだから出来たことです。
原作において、主人公のデッカードは、めちゃくちゃ悩みます。まさに苦悩する男です。
本物か偽物か。基本的にはそのことについて悩みます。
そして、ラストでは、荒野の中で「本物」の蛙を見つけて救済されるのです。(蛙は「偽物」であることが判明して、結果、気持ちの整理がつくといった感じです)
さてさて、映画の話。
劇場公開時と完全版の差違は、バイオレンスな部分のあるなしなので、ほとんどないと言っていいでしょう。
初めてこの映画を見たときはショックでしたねぇ。
渋谷パンテオンだっとおもうけど、続けて2回見ちゃいました。
「こんな映画見たことない」と感動した私は、きっと大ヒットしているものとばかり思っていましたよ。
でも全然だめだったんですよねぇ。興行的には。
おかげでカルト映画の仲間入りしてしまったのです。
うれしいやら悲しいやら。
客観的に見て、一般受けするとも思えないけどね。
そして、公開時に様々な議論をよんだラストシーン。
酸性雨降りしきる世界から突如として緑あふれる世界への愛の逃避行。
なんであんな「ハッピーエンド」なんだと。
四年の寿命しかないレプリカントの女性を連れて逃げるデッカード。ここでデッカードは「彼女には寿命がない」と告白する。
人間であって人間ではない、人間以上の存在。
レプリカント。
彼らは、その優秀な電子頭脳によって、四年以上生活していると「感情」が芽生えてくる。「感情」をもったロボットは、それも人間そっくりのロボットは「人間」なのでは?
といった疑問が起こらないように、セーフティ回路がレプリカントにはつけられているのです。
それが四年という寿命。
とまぁ、こういうことで、二人の愛の逃避行は、人類の新たなる創世記「アダムとイヴ」の存在になったわけである。
まさに、二人は「新」人類だからね。
あまりにも強烈なラストのために、それまでの話はぶっ飛んでしまい、このラストで語りたかった監督のメッセージはビデオで何度も見ている内に初めて理解できたような気がした。絶対にこんなラストは、嫌だったに違いないと。
すご〜く、良い方に解釈して、きっとラブロマンスにしたかったのだろう。
話が前後するけど、「ブレードランナー」のすごいところは大きく二つあって。
まずはじめに「世界観」。今でこそ当たり前になった荒廃した未来をあそこまで完璧に映像表現した作品は、それまでは存在しなかった。
次に「ディックの作品を初めてちゃんとした映画」にした。これはすごいことですよ。ホント。ちなみに誰もが知っているレベルで話をすると「トータル・リコール」も原作はディックだけど、だけど、、、、、。
まぁ、ええか。
とにかく今見ても古くささを感じないのはすごいことだと思う。あのスター・ウォーズですらオリジナルは、やっぱりちょっと、という感じだからね。
スピナーのワイヤーが見えようとも、ビルがおもちゃに見えようとも、写真スキャナーがビデオによる演出だろうと、街のガヤが同じ内容のリピートだろうともそんなことは関係ないのである。
80年代におきたSF界のブーム「サイバーパンク」。
「ブレードランナー」は、そんな中のシンボル的な存在であったのは確かである。
そう「ブレードランナー」がなければ「マトリックス」も生まれてこなかったのである。
未だに「ブレードランナー」を越えるSF映画がないのは、ちょっと悲しいけど。
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