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『星の時計のLiddell』icon
著者:内田善美
集英社 (ISBN:4-08-782104-8)

知っている人は、ほとんどいないでしょう。

何しろ「星の時計のLiddell」がコミックのタイトルだと言うことすら想像できない人がほとんどではないだろうか。

まず男にはいないな。何しろこのコミックは「ぶ〜け」で連載されていたから。

とーぜんコミックも少女漫画のコーナーにおいてある。なんでそんな本を私が読んだことがあるかというと、友人に漫画大好き人間がいて、少年少女見境なく読みまくっていた奴の影響です。

これはおもろいからよんでみろと勧められた少女漫画は確かにおもしろかったです。

今回の「星の時計のLiddell」もその一つ。

内田善美著「星の時計のLiddell(リデル)」

「幽霊になった男の話をしよう」
こうこの物語は始まる。

主人公は、ヒュー。しかし、この物語は、語り部であるウラジーミル・ミハルコフによって語られる。

そう、主人公ヒューが幽霊になるまでを。

金木犀のある洋館。そこの夢を見るヒュー。その洋館には、一人の少女が。

なぜ彼は、夢を見るのだろう?

いつもの洋館。いつもの少女。夢を見ている間、彼は夢の中の住人だった。

荘子が胡蝶になった夢の話がある。

胡蝶の夢を見た彼はこう思った。
「はたして今の自分はあの胡蝶が見ている夢で、現実は胡蝶で、胡蝶の見ている夢の中でこうして人間の姿をしているのではないか」

ようは、現実と夢の区別なんてとっても曖昧なんだ。
と言いたいに違いない。

そんで「星の時計のLiddell(リデル)」に話を戻すと、ヒュー自身も夢と現実の区別が付かなくなってくる。

夢を見ている時、彼は幸せになる。

洋館に住む少女は、彼を待っている。いつも、いつも。 そして、彼は洋館を見つける。

洋館は現実に存在したのだ。

ここから先は、コミックを読んでもらうとして。
内容は、少女漫画を馬鹿にするつもりはないが、少女漫画らしくなくとってもしっかりしたストーリーです。

ちょっと、難しい話が多すぎて頭の悪いおこちゃまは、絶対に理解することが出来ません。ユングだ、フロイトだ、ってばんばん話の中に出てきます。精神学だの脳生理学だの古文からの引用やなんのかんのと出てきます。

でも、おもしろいです。
三巻で終わりなのですが、最後はちょっと映画っぽい演出で終わらせています。

エンドクレジットが出て、あとがきがあって、一番最後のページに見開きで洋館が出てきて終わります。とってもナイスな終わり方です。

それまでのストーリー同様、静かに終わっていきます。ほとんどストーリー的には見せ場がないくらい静かに進んでいって、静かに終わる。

しかし、決してあきません。
一こま一こまがとっても丁寧に書かれているからです。

もし本屋に行って見かけたらとりあえず一冊買ってみてください。
きっと気に入ると思います。


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