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『地雷震』icon
著者:高橋ツトム
講談社 (ISBN:4-06-360212-5)

新宿警察署勤務、飯田響也。
年齢不詳。
性別男。

自ら刑事を天職だと思っている男。

法を犯した者を殺すことに何のためらいもない男。

凶悪犯人や凶悪事件を扱わせたら天下一品の男。

このマンガが連載されていた当初は、猟奇殺人や凶悪犯罪、少年犯罪なんてあまりなかったんだろうなぁ。

それが、今じゃ、フィクションとノンフィクションの区別がつかないくらいの凶悪犯罪が横行している。

このマンガ「地雷震」も、物語の後半になってくると犯罪の質や主人公飯田の行動パターンがかわってくる

「罪を憎んで人を憎まず」なんて、ことは、この飯田さんにはまったく関係ありません。

罪が人を犯すんじゃない、人が罪を犯すのだ。

なんて、持論があるんじゃなかろうか、と思わせる行動は、読む側にどこかに「やさしい」ところがあるんじゃないの? とおもわせてしまいます。

そんなことは、これっぽちもないんだよね。この飯田刑事には。

このマンガを読んでから「螺旋階段の行方」を書いていたら、また違った物になったかもなぁ。なんて思わせるだけのパワーがありますね。

わたし、とっても影響されやすいので。

しかし、飯田刑事も相棒が殺され、新しく女性の刑事が相棒になった頃から性格が変わっていきます。

まぁ、犯人や事件そのものが変化しているせいもあるのでしょう。

「死をコントロールするなんてのは簡単なんだよ。それよりも生をコントロールする方がよっぽど難しい」

なんて、セリフを飯田刑事は言っています。
犯人?死を自らイベントとして執り行おうとしている事件の時に言った台詞なんですけどね。

これを「ひとりでいるのは簡単なんだよ。だがひとりきりで生きるのは難しいんだ」なんて、言葉にしてみると人間飯田の姿が見えるのじゃなかろうか。

もっと簡潔にすると「ひとりになるのはかんたんなんだよ。でもひとりきりになるのは難しいんだ」

な〜んて、感じかな。

冷徹な飯田刑事も「柵」の中に「ひとり」でいることに気づくのです。

最終回、飯田刑事は一人?の女性を殺します。

飯田刑事が一番嫌った「柵」だらけの女性です。

いったい、飯田刑事は誰を殺したんでしょう?
それとも「なに」を殺したんでしょうか?

いろいろ考えられます。

でも、飯田刑事らしさを求めるなら「やさしさ」でしょう。

「やさしさ」を持った飯田刑事は、飯田らしくない行動をおこし、その結果が「悲劇」であるのなら「悲劇」の元をたたなければならない。

それが刑事・飯田がとってきた今までの行動パターンである。

逸脱は許されない。

しかし、世間は、そんな行動の刑事は許さない。

よって、飯田響也は抹殺される。

連載終了。

「地雷震」の続編はないでしょう。あるとすれば、若き日の「飯田響也」物語でしょう。

続編と考えるなら、パートナーを主人公としたパターンは考えられるな。

飯田響也によって影響された女刑事。

さてさて、ちょっとグロいのどーもいかん、という人は読まないように。

結構、メンタルな部分を刺激してくるマンガなので気をつけましょう。


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