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『マイノリティ・リポート』icon
著者:フィリップ・K・ディック/著 浅倉久志/〔ほか〕訳
早川書房 (ISBN:4-15-011278-9)

フィリップ・K・ディックの短編です。

で、本当は「追憶売ります」の事を書こうかと思っていたのですが、実は準備が出来ていないので「マイノリティ・リポート」に変更したんですねぇ。

なんの準備かというと「トータルリコール」のTV版を最後まで見ていないからなんですねぇ。

ちゃんちゃん。

で、「マイノリティ・リポート」も、何の因果か、映画になるらしいじゃないですか。

それも、スピルバーグとトム・クルーズのコンビで。

さてさて、どんな風に原作とかわってしまうのかとっても楽しみですねぇ。

もしかしたら、思いっきり原作に忠実にしてくるかもしれないなぁ。

さてさて「マイノリティ・リポート」は、日本語にすると「少数報告」となります。

ここがポイント。

物語は、戦後です。ディックは、未来に起こる戦争の戦後がとっても好きです。

現実の世界を一回完全に壊したいからこういう設定になるんだろうなぁ。

そして、物語の主人公は犯罪予防局の長官で、自ら作り上げたシステムに翻弄されていくのです。

そのシステムとは、超能力者を使った犯罪予知のシステム。

三人の予知能力者が、これから起こるであろう犯罪を予知し、警察はその犯罪を犯すであろう犯人になるはずの人間を拘束するのである。

その結果、五年間殺人事件が起きていないと言う、とってもすばらしい世界が作り出されたのです。

そして、この物語のみそであるマイノリティ・リポートとは、この三人の予知者の報告のことを言います。

何故三人かというと、三人で少しずれた未来を見ていき、その結果多数決で犯行と犯人が確定されるのです。

二人以上の予知者が同じ結果を言ったら、それは確率的に見ても、限りなく正しい未来となる。

正しい未来とは、確定される犯罪世界のことです。

マジョリティ・リポート。多数報告。

予知されて、リポートになった報告は、すべて多数報告なのです。

そして、不確定な未来予知というモノを確定させるシステムは、本当に存在するのでしょうか?

この「マイノリティ・リポート」は、そんな皆様の疑問に鋭くメスを入れ、人為的な操作によって答えを導いています。

犯罪予防局の長官が、殺人事件を起こす。

誰よりも早く、世界中で一番最初にマジョリティ・リポートを見る人間が、自らを殺人犯と訴えている報告を見る。

と、いうことは、捕まる前に逃げられる可能性がある。

マジョリティ・リポートは、時間差で同じ報告を他の組織も見ることになっているので、もみ消すことは出来ない。

そして、犯行は行われることはないので、無実を証明することも出来ない。

と、言うことは、後は逃げるだけ。

とーい世界。宇宙の彼方へ。

イスカンダルならぬケンタウロスまで。

しかし、この主人公の長官は、このマジョリティ・リポートが、仕組まれたことだと思い、それを証明しようとします。

これは、自分の地位を狙った計画的な犯罪だと。

それを証明するのが、多数決で蹴落とされた少数報告マイノリティ・リポートに他ならない、と。

さてさて、犯罪予防局長官は、自らの身の潔白を証明できるのでしょうか?

答え?

それは、いえません。

だってねぇ、、、。

 

いやー、なかなかスリル満点の展開です。

短編だから、ほんとうにアッというまです。

この短編のエッセンスをうまく引き出して使うことが出来たら、とっても面白い映画が出来ると思います。

間違っても、アクション映画には、しないで欲しいなぁ。

ぜひ、「ブレードランナー」を超えるディック原作の映画にして欲しいです。

スピルバーグ君ならできるでしょう。

だいたい、もう十五年以上も前の映画をいまだに超えられないなんて、ちょっと寂しいぞえ。


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